よく道を尋ねられるのはなぜ?現場で感じた本当の理由

プロフィールに「よく外国人に道を聞かれます」と書いていたことがある。
昔から割と道を尋ねられる方だ。

「道を聞きやすい人」なのか?
「千葉県出身」だから?

違うと思う。特に後者は非科学的極まりない。

なぜそこで聞かれるのか。
それは、そこがそれだけ問題のある場所だからじゃないのか。

過去道を尋ねられた例から見てみたい。

ケース1.牛久大仏 – パンくずが役立たない

どれも「牛久」

牛久大仏バス停付近でカップルと思しき男女二人組の男性の方に「Hello,Excuse me」と声をかけられ、話を聞いてみたら「牛久駅へ行く便は時刻表のどの欄なのか」というお尋ね。過去記事「筑波山口バス停は改称したほうが良いと思う一つの理由」でも取り上げた。

漢字が読めないこの男性は、大仏に来る時「牛久」の駅名標をスマホで撮り、ちゃんと帰れる保険いわば“パンくず”としたつもりだった。だが、大仏に来てみれば「牛久駅」と「牛久浄苑」の二つの行き先がどちらも「牛久」であり、区別がつかなかったのだ。

時刻表を指し示したやりとりの後、発車時刻になってもバスが来ず、「本当にくるの?」的なことを言われたから奥の大仏駐車場で回転するバスを指差して「あれだ」と伝えた。

【問題点】読めない文字、予定より遅れる不安など

ケース2.新宿駅 – 店が閉まりだす

新宿駅の地下(イメージ)

00年代、22時半ごろ。JRの新宿駅西口出たところの地下通路で携帯電話を見ている時に数人の中年男性に尋ねられる。

「24hoursのstoreはないか」と。

24時間の店?ああコンビニね。理解するまで2秒かかった。

と、これがすぐそばを見渡してもないし、思いつかない。

不夜城と思われている大都市東京の巨大ターミナル新宿駅といえどこの時間になるとステーションデパートの飲食店も閉まり始めるし、駅を出て街の通りへ出れば良いように思うものの駅構内がとても広く、その場からどこへ行くにしても遠そうに感じるのだ。

まだ、地図検索も未発達の時代。残念ながら完全にお手上げだった。

【問題点】夜の買い物(当時は今より深夜営業の日用品店が少なかった)、広い駅ゆえの見つけにくさ

ケース3.名古屋駅 – 行きたいところは中心部なのに

名鉄名古屋駅(イメージ) by Kzaral

2016年末、名鉄名古屋駅南口から中央口の間、駅サービスセンターの近くだった。

「すみません、栄に行きたいんですが」とパーカーを着たラッパーみたいなお兄さんに日本語で聞かれる。

栄。確かにここのゾーン(名鉄部分、近鉄寄り)からは分かりにくい。

「栄ですね。栄は地下鉄ですから、(急いで見える標識を探す→北寄りの遠くに見える→指をさしながら)あれですね。」

日本語で尋ねられるとこちらも助かる。外国人だからといって日本語が喋れない人ばかりではないし、日本語がわかるから道もわかるというわけでもない。

ここ(名鉄名古屋本線)は路線が違うとか地下鉄へは案内標識が出ているとかいったことはわかっている人の論理。

名駅の特徴として、JR、近鉄、名鉄など各社別々の駅を無理やり接着させていて複雑構造になっている上、駅とデパート、地下街の境目がはっきりしない。

だからこのラッパーみたいなお兄さんに限らず、知らぬ間に名鉄改札口前に迷い込んだとしても不思議はないのだ。

名駅から栄へは地下鉄(東山線)というのも予備知識がなければわからないことなので無理もない。

それにしても名古屋駅で栄を尋ねられるとは八百屋でトマト売り場を聞かれるようなもの。「最もよくある」目的地であり、一番わかりやすくしなければならない。

【問題点】名駅特有の問題(もっと初心者目線に立ち返る必要があるかも)

ケース4.益子駅近く – イベントなのに賑わってない?

90年代だったか。益子駅を降りて益子焼春の陶器市会場に向かおうとしていた時。中年男性に「益子焼はこっちですか?」。

実は益子駅と益子焼の窯元群は街中を歩いて20分くらいかかる。列車を降りたらさぞかし賑わっていると思うといきなり肩透かしを食らう。あと一ヶ所だけわかりにくい交差点があった。薄れゆく記憶によるとそこで尋ねられたのだ。

大分行ってないから今はわからないが、町をあげてのイベントの際、駅からの道のりをわかりやすくかつ盛り上げるのも結構大事だと思った。

せっかく来たのにあれやってない?降りる駅ここで良かったんだっけ?そんな気分にさせてしまうからだ。その男性もきっとそうに違いない。

もちろん、だんだん歩いて近づいて行けば祭り的雰囲気が増してくるのだが。

【問題点】車目線すぎる問題?(駅から歩く人向けにそれらしい雰囲気作りは大事かも)

まとめ

尋ねられるのはその場所に問題があるのだ。初心者目線の案内ができていない。案内係もいなかったり、どこにいるかもわからない。こっちへ行けば良いのではないかと感じられるそれらしい雰囲気が出ていない。

道を聞いてくる人は言葉の壁がある中で(あるいは知らない町で)問題のある場所に入ってしまった。そして迷ってしまったから切羽詰まって尋ねているのだ。その中で聞きやすそうな人、そうでない人というのはあるかもしれないが、事の本質ではないだろう。

駅などにおいてもピクトグラム(絵文字)を使ってすっきりと統一した案内標識を設けるとか、「よくある」目的地への案内を強化するとか、初心者目線に立ち返った案内とか配置が求められている気がする。

スマホアプリとかARとかもいいけれど例えば迷路みたいな駅だったらそっちをわかりやすく造り直す方が百倍良いわけでそうしたことに着目せず情報技術のみで解決しようとするのは根本から違うような気がするのだ。つくば駅のスタバみたいに絶妙な位置にあれば「喫茶店どこ?」と尋ねる必要がないわけだから。

追伸:今、駅ナンバリングをやる鉄道会社が増えているけど、駅番号で聞かれたことは一度もないなあ。

                                                               
                               

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