橋本環奈「どうせアイドル」の先入観をぶち壊す『セーラー服と機関銃-卒業-』

カバンの中身は機関銃映画『セーラー服と機関銃-卒業-』(2016年、日本)

ラブホから暴力団抗争まで出てくる橋本環奈初主演映画は、「どうせアイドルだから」の先入観をぶち壊す意外な作品だった。

橋本環奈は意外とハードな演技ができる人だったことに驚く。知らなかった。

映画館公開から約1年の時を経て鑑賞する機会を得た理由とは。

「何かある」賛否両論の作品

「旬の人物だからとりあえず主役やらせてみました」みたいな映画でどうせ駄作なんだろうなと勝手に思い込んで全くスルーしてた。

何日か前、たまたま橋本環奈の動画を見ていたところこの作品の宣伝動画を久々に目にした。

「あれ?観ても良いかな。観たいぞ。」

公開年にはさっぱり興味持てなかったのになんでだろう。まあいいか。アイドル趣味の一環として主役映画観るのも悪くない。主役なんだから好きな環奈がたくさん観られる。駄作でもいいじゃないか。その時はそう思ってた。

検索をかけるとある人の評論が目に入った。

薬師丸版が「何も知らない新人女優・薬師丸ひろ子の戸惑いをヤクザの組長になった女子高生と重ねる」ことで成功していたのに対し、橋本環奈さんがあまりにも優秀でなんでも出来てしまうので「極道の妻たち」みたいな映画になってた

とにかく感想としては「橋本環奈の超人性」だけが強烈に残る内容で、安藤政信、鶴見辰吾、伊武雅刀、武田鉄矢というヤクザ役の面々を相手に映画初主演のアイドルがヤクザ同士の凄みあい、かけあいでギリギリ押し込むのがすごかった。

たぶん「どうせテレビ局と広告代理店が企画ありきで作ったスッカスカの映画なんだろ」という先入観を持たれてしまったのが動員不振の原因だと思うけどそれは誤解で、映画屋さんがマジで作った映画ですよ。

c4dbeginner さん 2016年3月12日の一連のツイートより

なんだ食わず嫌いか。「興行収入がふるわず」は事実としてもそもそも観てない人ばかりなのだから「大コケ」は作品自体の評価では決してない。

観た人の評論が集まってるサイトでは賛否両論。低評価一辺倒ではない。ということは「何かある」作品なのだ。ますます観たくなってきた。

さて、どうやって観るか。当然もう公開館はなく、配信も見つからず。仕方なくBlu-rayで観る。

ヤクザ相手に鬼気迫る演技

環奈、すごい肝座っている。機関銃で襲撃する時の目が怖い。とてもローカルアイドル上がりとは思えない一定の演技力がある。先ほどの人の評論の通りだった。大げさではない。

1ミリも怯えないで敵に立ち向かうかと思えば、子分の死に直面した時カタギの性格が出てきて動揺したり、失礼ながらいつものようにカラッと明るいアイドル環奈からは想像も付かない芝居が出てくる。

「怒り」の演技が上手い。顔を歪めて怒るんじゃなくて、スッと無表情になった顔にバリバリっと怒気が走るっていう、そういう演技ができる。

「愛する人に銃を向ける」というシーン、普通アイドルの演技は「目をつぶってうわぁ~!と叫ぶ」なわけですよ。橋本さん『目をカッと見開いてヒューッ!ヒューッ!と速い呼吸を整える』っていう演技をしてます。どこで覚えたんだよそれ。
「橋本環奈さん、それ本当にヤクザが人を撃つ時に腹をくくる時の演技ですやん」

泉(橋本環奈)、怒りの襲撃

泉(橋本環奈)、月永に拳銃向ける

脇を固める役者も本気だし、抗争シーンも映像的にしっかり作っていることもあって物語世界に引き込まれた。

ラブホに行くかんな

しかし、本当にみんな観ていないものだと感じたのは環奈がラブホに行くシーン。

「【悲報】橋本環奈がラブホ ヲタ死亡」と出てもおかしくないのにあまり話題にならない。

映画の撮影と称して当時16歳のアイドル橋本環奈を堂々とラブホに連れ込んだ記念すべき作品となったのに。

橋本環奈と金ピカのスケベ椅子が共演する作品は本作だけだろう。

泉が履いているショートパンツの刺繍にまでこだわる細かい演出が見どころ。

泉(橋本環奈) in ラブホ

これあるかんな

  • ラブホ(スケベ椅子付き)
  • キス
  • 機関銃
  • 拳銃
  • バットで襲撃する
  • 遺体埋める穴を掘る
  • 体当たり演技(作品でご覧あれ)

まとめ

結論。

一般映画としては佳作。3.5。アイドルが主役の映画としては上出来。「小柄なJKがヤクザの組長」という独創性を一定の品質をもって追求できている娯楽映画。突飛な内容にならないようギリギリの線を守るバランス感覚が秀逸。

アイドル映画として観ればあまりにも血が飛び人が死ぬから面食らうこと間違いなしだが、橋本環奈の様々な表情と容姿を堪能できる優秀作品。4.0

いずれにせよ今後が期待される役者・橋本環奈の“取説”作品といえる。これを観ずして環奈がわかるか。広く鑑賞されることが望ましい。

最後に。

鉄道ファンから蛇蝎のごとく嫌われている某鉄道会社が国を巻き込んでやっている一大プロジェクトを悪役に言及させている。批判報道すらほとんどない中、なかなか勇気ある。

セーラー服と機関銃-卒業-

(写真は鑑賞中の様子)
(この記事は記事広告ではありません。)

取り上げた作品:セーラー服と機関銃-卒業-(日本 2016年)