常陽新聞が何回も亡くなる理由 他県の高購読率紙と比べて思ったこと

ご愁傷様です。生き返った常陽新聞さんがまたお亡くなりになるそうです。
土浦かけこみ大相談会(土浦派遣村)の時も唯一取材に来てくださったことを思い出します。
生き返った時も購読していました。
愛知からお悔やみ申し上げます。

結論です。
地域の人々に必要とされていない。

「嘘つけお前。つくば・土浦のニュースはほぼ他にないから毎日見ているぞ」と反論されるでしょう。

無料部分だけ見てたらそりゃ死にますよ。
収益化優先しすぎではないかという点はとりあえず脇に置きます。

地域の人々に必要とされている。もっと言うと地域の人々にとって必須であるかないか。
「ないと明日の生活ができない」「明日の学校、職場、老人会、ご近所…で話についていけない」くらいの何かってことです。

そこまで行ってないことは明らかです。

えっと硬いんですよね。硬い。常陽新聞はニュースの型にはまった内容をメインにやっちゃう。コラム的なものもあるけど全国紙のような品質を保とうとするというかお上品ですよね。

高い購読率の秘密とは

宮崎県に夕刊デイリーという新聞があります。延岡市・日向市あたりの県北部専門の夕刊紙です。配布地域が県内の一部地域なのは今の『常陽』と一緒です。
わけあって数年前、茨城にいながら郵送購読していました。

配布地域では誰に聞いても同じ答えだと思いますが、「読んでいない家庭はない」、「延岡ではみんな読んでいる」。そんな感じの答えが返ってくるほど購読率の高い新聞なんです。

全国ニュースも載ってますし、ラテ欄もある。戦争法廃止の読者意見も載る。一応はジャーナリスティック。全国紙の夕刊がない地域なのでその代替としての役割もあるでしょう。

でもね、でかでかと載っている写真付き記事が何かなと思えば、やれどこそこの町内会がボランティアしただの小学生の集団がこんな地域貢献しただのニュースじゃないニュース。

狭い地域の中に住んでいる人だけが気になる話題が一番でかく載っているわけです。コラムというかエッセイもなぜか地元の旅行会とかそんなレベルの人が書いていたりする。

そして、死亡広告もやたら詳しい。言ってみれば個人情報丸出し。

他所の人からすれば必要のないようなことばかり。でも、古今東西一番気になるのは隣近所、身近な地域の話題だったりしますよね。子を持つ親ならなおさらだと思うんです。「学校がどうの」とかね。

だから読まないと地元がわからないどころか下手したら毎日紙面のどこかに近所の知り合いが載る勢いですから、読んでいないと取り残される。そんな紙面。

ゼロ年代当時の現地ではすごい量の折込チラシでした。牛久市で購読する『朝日』の朝刊よりも遥かに厚いレベル。いかに読者が多いかを物語っています。

ああ、地方紙だとかローカルメディアだって上辺だけで捉えちゃいけないんだ。これは“地域の会報”とか“地域社会という団体の機関紙”なんだなあ、と実物を目の当たりにして思うのです。

事情が違うので単純に比べたらいけませんが、つくば・土浦における『常陽』とはあまりにも違うことに驚くわけです。地域の人々に必要とされていないと最初に書いたのはそういう意味です。決して身近な話題がいらないのではない。

『常陽』は最後に生き返った際配布地域を狭めましたが、ほとんどそのままでした。もっと大衆の中に浸透するようなある種の泥臭さが《紙面に》必要だったかもしれないなあと今更ながら思っており、悔やんでおります。
生き返るも短命だった常陽
局地的なメディアの在り方も考えたかった

※この情報は全て取材当時のものです